「オーバーショット」という言葉をご存じでしょうか。
上顎が下顎よりも前に出ている状態のことで、噛み合わせが悪いことを指します。
実はこのオーバーショットは下顎が元々小さいチワワに多くみられるのです。
オーバーショットのチワワは、舌が常に出しっぱなしになる子もいます。
また、成長とともに永久歯が生えそろいますが、歯並びが悪くなる恐れも。
私の友人に、舌が出しっぱなしのオーバーショットのチワワを飼っている人がいます。
口が上手く閉じられないので、よだれがたくさん出て口周りのケアが大変だと聞きました。
この、舌が出てしまうオーバーショットには何か治療法はあるのでしょうか。
また、このままでも今後健康に影響はないのか気になるところですよね。
今回はチワワのオーバーショットについて徹底解説していきますので、
愛犬のオーバーショットに悩んでいる飼い主さん必見ですよ。
オーバーショットってどんな状態?チェックしてみよう

生まれつき上顎が下顎より前に出ているオーバーショットが多いチワワ。
獣医さんから指摘がある場合や、チワワを家に迎えるときに言われたという人もいるかもしれませんね。
「オーバーショットです」と突然言われても驚いてしまいますし、将来このままでも大丈夫なのかと不安になってしまいます。
では、オーバーショットだと、どのような影響が出るのでしょうか。
- 舌が常に出しっぱなしになる
- エサをきれいに食べられない
- よだれがたれやすい
- 歯並びが悪くなる
舌が常に出しっぱなしになる
まず見た目では、舌が上手く口内に収納できないので常に舌が出しっぱなしになることがあります。これによる影響は特にありません。飼い主が舌が出ていることを気にするかどうかでしょうか。
私は舌が常に出しっぱなしな状態は、むしろ個性的でかわいいと感じます。
舌が出ていることがチャームポイントになるでしょう。
エサをきれいに食べられない
よだれがたれやすい
私の友人が飼っているチワワはオーバーショットですが、これに当てはまるみたいです。
口周りが普通の噛み合わせの犬と比べて汚れやすいので、頻繁に濡れたタオルで拭くようにしているそうですよ。飼い主のケアが必要にはなりますが、こちらも口周りが汚れること以外には特に大きな問題はありません。
汚れをそのままにしておくと臭いますし、見た目にもよくないのでケアしてあげましょう。
歯並びが悪くなる
オーバーショットで一番大変なのは歯並びが悪くなる恐れがあること。
歯並びが悪くなることで歯石がつきやすくなります。
歯周病予防のために、普段からしっかり歯のお掃除をおこないましょう。
歯周病になると抜歯が必要になる場合もあります。
歯並びの良し悪しにかかわらず、歯の掃除は犬に必要なのですが、オーバーショットであればより丁寧に磨いてあげるとよいです。
犬の噛み合わせ4種類!ざっくり解説します!

犬の噛み合わせには主に4種類あります。
これは犬だけではなく人間でも同じです。
出っ歯や受け口の人もいますよね。
- シザーズバイト
- レベルバイト
- 犬の出っ歯(オーバーショット)
- 受け口(アンダーショット)
シザーズバイトは、犬の正常な噛み合わせです。上あごの前歯が下あごの前歯の外側から内側に噛み合う噛み合わせです。シザーズバイトは、犬にとって食べ物を上手に噛み砕き、歯を健康に保つことができる理想的な噛み合わせです。
レベルバイトは、上下の切歯がピッタリと接合する咬み合わせのことを言います。撃墜した獲物をくわえて運ぶ猟犬は、強くかみすぎるシザースバイトより、このレベルバイトの方が望ましいとされています。
犬の出っ歯(オーバーショット)は、上顎が長く下顎が短いために、下の歯が上の歯よりも前に出ている状態です。正常な歯並びの場合、横から見ると犬歯から後ろの歯については上下で互い違いに並んでおり、1歯対2歯という咬み合わせになっています。
一方出っ歯の場合、このような咬み合わせから0.5本分のずれが生じ、1歯対1歯となっているのです。さらに激しい出っ歯ともなれば、歯1本分のずれが起きているケースもあります。
チワワやダックスフンドなど。
「アンダーショット」とは、上顎よりも下顎が長く、口を閉じたときに下の前歯が上の前歯の前に出ている噛み合わせのことを言います。犬種によってはアンダーショットがあたりまえとされている場合もありますが、基本的にはシザーズ・バイトで見本となる噛み合わせが理想的とされます。
ブルドッグ、パグ、ボストンテリアなど。
飼っている犬によってもタイプが違いなんて初めて知った人も多いのではないでしょうか。
ブルドックなどの受け口(アンダーショット)はなるほどって思いますよね。
犬の出っ歯(オーバーショット)と受け口(アンダーショット)のデメリットは?

犬の出っ歯(オーバーショット)と受け口(アンダーショット)には、いくつかのデメリットがあります。今回は共通したデメリットを紹介します。
- 食べ物を上手に噛み砕くことができない
- 歯並びが悪くなる
- 歯周病になりやすい
- 口臭がきつい
- 犬が痛みやストレスを感じてしまう
オーバーショットやアンダーショットがあると、犬は食べ物を上手に噛み砕くことができません。そのため、食べ物を丸呑みしてしまい、消化器系のトラブルを起こすことがあります。また、食べ物を上手に噛み砕くことができないので、栄養を十分に摂取することができず、体調不良になることもあります。
オーバーショットやアンダーショットがあると、歯並びが悪くなることがあります。歯並びが悪くなると、歯垢や歯石が溜まりやすくなり、歯周病を引き起こすことがあります。また、歯並びが悪くなると、犬が口を開けて笑うことが難しくなることもあります。
オーバーショットやアンダーショットがあると、歯周病になりやすくなります。歯周病は、歯と歯茎の間にある歯周組織が細菌によって炎症を起こす病気です。歯周病になると、歯がグラグラしたり、抜け落ちたりすることがあります。
3歳以上の犬の場合、8割程度が歯周病を患っていると言われています。
もう他人事ではないですよ。
犬の歯並びと口臭は、犬の健康状態を示す重要な指標です。犬の歯並びが悪いと、歯垢や歯石がたまりやすくなり、口臭の原因となります。また、歯周病や歯根嚢胞などの病気にもかかりやすくなります。
できるだけ早い段階から歯磨きなどでケアしたいですよね。
オーバーショットやアンダーショットがあると、犬が痛みやストレスを感じてしまうことがあります。噛み合わせが悪いことで、歯肉や歯が傷ついたり、顎関節に負担がかかったりすることも。また、噛み合わせが悪いことで、犬が食事をするときに痛みを感じたり、食べづらさを感じたりすることがあります。
オーバーショットやアンダーショットがある犬は、定期的に歯磨きや歯石除去を行う、食事の形状や硬さに注意する、口腔内の健康状態を観察するなどのケアが必要です。また、噛み合わせが原因で痛みやストレスを感じている場合は、自分で考えるよりもかかりつけの獣医師さんに相談しましょう。
人間も動物も本当に一緒なんだとつくづく感じます。
チワワがオーバーショットで舌が出しっぱなし!治療できるの?

チワワのオーバーショットの治療は一般的におこないません。
というのも、そこまで日常生活に大きな影響はないので必要がないのです。
それに、根本的に治すとなると顎を削るようなとても大掛かりな手術なるので、リスクのほうが大きいでしょう。
ただ、歯並びの悪さから歯が口内や舌に当たって傷ができる、といった症状があれば麻酔をかけて抜歯をする場合もあります。
あなたのチワワに何か悪い影響を与える要素がない限りは、オーバーショットはそのままにしておいて大丈夫です。
ただ、歯周病には気を付けていただきたいです。
歯の汚れを放置することで、細菌感染し歯茎が炎症を起こします。
ひどくなると痛みが出て食欲がなくなりますし、悪化すれば炎症から顎に穴が開くこともあるのです。
歯石はたくさん溜まると石のように固くなり、歯磨きで取り除くことが不可能になります。
麻酔をかけて削り取るしかなくなりますので、毎日の歯磨きがとても重要ですよ。
あなたのチワワがオーバーショットである場合、歯の汚れも溜まりやすいので毎日しっかりケアして予防しましょう。歯のケアをするグッズはたくさんありますので、その子に合った方法でお掃除できるとよいですね。
私は飼っているチワワに、歯磨きガムを噛ませることと、ブラシで歯を磨くことをおこなっていますよ。
特にブラシは毎日しているので、歯石のないきれいな状態を保てています。
ベロが出ていてチャーミング!オーバーショットを前向きにとらえよう

根本的に治す必要がないオーバーショットですが、舌が出しっぱなしなのが気になる人もいるのではないでしょうか。
でもそれって、とってもチャーミングではないですか?
かわいい見た目にさらにかわいい要素が追加されて、あなたのチワワのチャームポイントになっているはずです。人間でも、歯並びや噛み合わせが正しくない人はたくさんいますし、特に大きな問題がなければ治療しない人も多いです。
チワワのオーバーショットも珍しいものではないので、難しく考える必要はありません。
舌が出しっぱなしになっていれば、それはその子のかわいさの武器です。
エサが口からこぼれてしまうのもベロがでているのもご愛嬌。
なんだか愛らしく感じませんか?
オーバーショットは生まれつきの個性といってよいかと思います。
前向きにとらえておきましょう。
まとめ
- チワワがオーバーショットだとみられる症状
- 噛み合わせには4種類ある
- デメリットは飼い主をして理解しよう
- オーバーショットは健康に大きな影響がなければ治療は必要ない
- オーバーショットを前向きにとらえれば出しっぱなしの舌もチャームポイントに
今回はチワワのオーバーショットについてご紹介してきました。
チワワは生まれつきの場合が多いのですが、オーバーショット自体はそこまで悪者に扱う必要はないかと思います。チワワの個性の1つとして上手に付き合っていけば、健康に影響を及ぼすこともありません。
「舌が出しっぱなしで気になる!」という人には、あなたのチワワのかわいさだととらえてほしいですね。
オーバーショットについて疑問や悩みを抱えていた人が、今回の記事で少しでもスッキリしてくれると嬉しいです。
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