家でゆっくりしたり、遊んだりしているときに顔や口をペロペロと舐める犬は多いのではないでしょうか?
気持ちを言葉で伝えることが出来ない分、飼い主への気持ちを全身で伝えてきてくれます。
人間のように寄り添ったりすることはもちろん、ペロペロと顔や口を舐める行為も深い愛情があるからこそだと言われています。
愛情表現とは理解していても、あまりにしつこかったりすると、人間にとって良くないこともあるのでは?と不安になりますよね。
実際に私の愛犬も口を舐めることが多いです。しかし、散歩中にあまりきれいではないところを舐めたりしているのを目撃しているため、病気になったりしないか心配になることがあります。
過剰に口を舐めることにより、犬から人への感染が起こることもあるのです。どんなときに感染しやすいのか、どんな病気があるのか理解をすることで、危険を回避したり防ぐことができます。
犬の愛情表現5選!口を舐めるのはどういう意味?
犬は言葉で気持ちを伝えることが出来ないため、大好きな飼い主へ気持ちを伝えるときはさまざまな仕草で伝えてきます。
一緒に過ごす時間が増えるにつれ、お互いに信頼関係が築かれていきます。あなたも愛犬からの愛情表現を感じることが多くなってきているのではないでしょうか?
以下で挙げる仕草は、とくに強い愛情表現となります。
それでは犬がする愛情表現5選を見ていきましょう。
- 顔や口を舐める
- 飼い主の匂いの付いたものに執着する
- 飼い主に自分の体をこすりつける
- 仰向けになりお腹をみせる
- 飼い主のそばで寝たり、おしりをくっつけて座る
顔や口を舐める
子犬が母犬に甘えるときに母犬の顔や口を舐めることがあります。飼い主へも母犬に対する気持ちと同様で、甘えたり愛情をもって舐めてきます。
飼い主の匂いの付いたものに執着する
人間も落ち着く匂いってありますよね?大好きな飼い主の匂いは不安な気持ちを優しく包んでくれるパワーがあるのです。たとえ、飼い主と離れていても匂いのついたタオルや洋服のそばを離れなかったり、隠したりして、見えないところでも愛情表現をしています。
飼い主に自分の体をこすりつける
好きな人とはくっついていたいもの。犬は全身を飼い主の体に擦りつけることでそれを表現してくれます。大好きな飼い主に自分のにおいをこすりつけ、自分のものであるとアポールしているとも言えます。
仰向けになりお腹をみせる
お腹は犬の急所と言われています。おへそを天に向けた、いわゆる「へそ天」と言われる仕草です。弱いお腹を見せることで、飼い主に対して安心や信頼していることを表しています。また、撫でてもらいたかったり遊んでしてほしいときも、このへそ天をする犬が多くいます。
飼い主のそばで寝たり、おしりをくっつけて座る
小さい物音ですぐ飛び起きる犬は警戒心がとても強い動物です。そんな犬が飼い主の足元で寝たり、おしりをくっつけて背を向けて座ることは高い信頼を得ているからこその行為です。「この人は信頼できる。安心して大丈夫。」とわかっているのでしょう。
あなたの愛犬もこれらの愛情表現を普段してきてくれているのではないでしょうか?
私の愛犬は特に、顔や口を舐めることが多いです。私が横になっていると体の上に乗ってきて、顔をペロペロ。口へのペロペロも止めないとひたすら舐めるのです。
正直、ひたすら舐めると衛生的にも良くないのでは?と、不安になる方も多いと思います。
次では、口を舐めることで注意しなければならないことについてご紹介します。
犬が口を舐めるのは危険行為?恐ろしい感染症5つ
口を舐めることは愛情表現のひとつ。
一生懸命に愛を伝えてくれる愛犬にはできる限りこたえたいものですよね。しかし、お互いに限度を保らなければ、取り返しのつかないことになることもあるのです。
上記で挙げた愛情表現の中でも、口を舐めることは特に強いスキンシップと言えます。
犬に口を舐められたり、可愛いからとキスをしたりするとどのような危険があるのでしょうか?
- レプトスピラ症
- パスツレラ症
- カプノサイトファーガカニモルサス症
- サルモネラ症
- アメーバ赤痢(せきり)
レプトスピラ症
ネズミが保菌しているレプトスピラという細菌から起こる症状。風と似た症状で、発熱や頭痛などが起こります。重症化すると肝障害や腎障害も起こる怖い病気です。
犬を水たまりや用水路など、衛生が保たれていないところへ近づけないようにすることが大切です。
パスツレラ症
多くの犬が口内に保有している細菌のパスツレラ菌。
犬の常在菌なので犬は症状が出ることはないですが、免疫が低くなっている人間に感染すると、呼吸器の異常や腫れやかゆみなどが起こります。
重症化すると肺炎や敗血症になる恐れも。
カプノサイトファーガカニモルサス症
こちらも犬の口内にいる常在菌です。
パスツレラ菌と同じく、風邪と似た症状や、重症化した場合は髄膜炎(ずいまくえん)などに進行し、最悪の場合、死に至ることもあります。
サルモネラ症
細菌の一種で、河川や動物の消化管など、様々なところに生息しているサルモネラ菌。犬のフンから検出されることが多いです。
犬が、サルモネラ菌が含まれたフンを口にすることで感染します。犬から人への感染は、サルモネラ菌に感染した犬に触れた手を洗わず口に入れたりすると発生することがあります。
腹痛・下痢・発熱・嘔吐・敗血症などの症状が挙げられます。
アメーバ赤痢(せきり)
微生物の赤痢アメーバ。犬はほぼ無症状で済みますが、人に寄生した場合、下痢や腹痛などの症状が出ます。発展途上国な土では死者も多く出ている病気です。
以上、最も犬から人に感染しやすい5つを紹介しました。特に、2つ目のパスツレラ菌はほとんどの犬が常在菌として保有しています。
飼い主が、擦り傷やケガをしている場合、犬に舐められると傷口から菌が入り、炎症を起こす恐れがあります。口内や目などの粘膜も感染しやすいところです。
散歩中に他の犬がマーキングしたところを舐めたり、自分のフンや他の犬のフンを食べてしまう食糞をする犬も少なくありません。そのような愛犬の舌で人間の口を舐めることはかなり不衛生と言えます。
口を舐めるのをやめさせたい!すぐに実践できる3つの方法
私の愛犬は遊んでほしいときや構ってほしいときにわざと食糞をすることがあります。そして、食糞した口で嬉しそうに舐めようとしてきます。もちろん、そんな状態の舌で人間を舐めるのはNGですよね。
食糞をやめさせるのはもちろんのこと、もしも、しつこく顔や口を舐めようとしてくるときはどのように対処すればよいのでしょう?すぐに実践できる3つをご紹介します。
- 冷静に、無反応を貫く
- その場から立ち去る
- 手を差し出す
冷静に、無反応を貫く
声を出したり、過剰に反応をすると犬は「喜んでいる!」と余計に興奮して舐めてきます。
顔を舐められたときは冷静に対応することが大切です。
その場から立ち去る
しつこいときややめさせたいときはサッと立ち上がってその場から離れましょう。繰り返すことで、「やりすぎはいけないこと」と覚えさせることが大切です。
構ってほしくて舐めてくることが多いので、少し時間を空けて遊んであげるようにしましょう。
手を差し出す
顔や口は感染しやすい粘膜が多いところ。
手や指に傷や荒れているところがない場合は手を舐めさせてみましょう。
もちろん、過度になめさせるのはあまり良くありません。少し舐めて落ち着いたところで、止めましょう。その後の手洗いは必須です。
食糞をしたり、不衛生な状態でないときに限り、過度でなければ犬の愛情表現には答えてあげましょう。
それでも、限度を守らせることは大事です。飼い主の反応で犬も理解してくれるようになるでしょう。
まとめ
- 口を舐めることは最も深い愛情表現のひとつ
- 最悪の場合、死に至る感染症も…不衛生なところへ近づけないことも大切
- お互いに限度を守って、舐めすぎを阻止しよう
飼い主から愛犬へは「いい子」「好きだよ」と言葉をかけたり、頭や体をなでなでしたり、おやつをあげたりと様々な手段で愛情を伝えることが出来ます。
愛犬が口を舐めることも、飼い主とのコミュニケーションには必要不可欠なものです。
しかし、不衛生なところへも匂いを嗅ぐために顔を近づけたり、舐めてみたりと衛生を保たれているわけではありません。
どんなに大好きな愛犬でも、人間が危険にさらされてしまわれることを認識し、距離感を大切に接することが必要です。
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